【The Brand】私たちが知るCOSMIC WONDER


About COSMIC WONDER
COSMIC WONDERは、1997年、現代美術作家・AAWAAを主宰として設立されました。「波動領域に作用する美しい光」としての衣服、美術、書籍など多岐にわたる表現を展開しております。
そんなCOSMIC WONDERとst companyの出会いは20年以上前に遡ります。当時、st company代表の環が、「面白いブランドがある」と大阪で紹介してもらったのが最初の出会い。初めて踏み入れたブランドが居を構えるマンションの一室で「空気が違う」のを感じ取ったと環は言います。
鮮烈なパリでのインスタレーションや、ファッション領域には留まらない様々な文化的活動で知られるCOSMIC WONDER。今ではst companyの取り扱いブランドの中で、最も長い付き合いのブランドの一つとなっています。

表現の領域
COSMIC WONDERのオフィシャルサイトには”FREE PRESS”というページがあります。プロダクトの生産における背景から、世界的なファッション誌「Purple」を生み出した編集者であるエレン・フライスによるエッセイ、写真家・花代による作品等が掲載されています。これは元々COSMIC WONDERの発信の一部を紙媒体として発刊していたものがWeb上での掲載と変わったものです。時代が変わり、形を変えても様々なアーティストや言論者の活動の場として、今もなお機能しています。
具体的なCOSMIC WONDERによる文化的活動として「コズミックワンダーと工藝ぱんくす舎 ノノ かみと布の原郷展」があります。2021年3月、島根県立石見美術館にて開催された本展は、デザイナー・AAWAA(前田征紀)らが、日本の各地に残された「自然布」から、その地の風土と人々の暮らしや精神性を見つめ、人と自然のこれからの関係について展望しようとするものでした。これら約2年に及ぶ活動は、一冊の図録としてまとめられています。

美山という地
COSMIC WONDERは、2016年より京都・美山の重要伝統的建造物群保存地区の古民家と工場跡を製作スタジオとして活動しています。美山には現役の藍染作家らが活動しており、日本古来の原風景とそこに残る技術が引き継がれる土地として知られています。
我々も彼らの活動を目撃するために美山を訪れました。デザイナーが住む茅葺き屋根の自宅は、入ると土間があり、そこを上がると囲炉裏、奥には書斎と、全てが従来の茅葺き屋根の家をベースとしながらも、より洗練されたコンテンポラリーな空間となっていました。その村で暮らす人々は皆、自然をベースに生活していて、日本人が本来郷愁的に持つ原風景と共に生きており、在るべき姿を体現しているようでした。
近年のCOSMIC WONDERのプロダクトを見ていると、拠点を美山に移したことで思考がよりピュアに純化したようで、その現れを感じます。
Materials, Dyeing, and Process
様々な活動を続けてきたCOSMIC WONDERについて少しでも知っていただけたでしょうか。
ここからはそんなCOSMIC WONDERが産み出す製品についてのご紹介となります。
Indigo and Madder Butti Ajrakh collection



アジュラック(Ajrakh)とは、インド西部のカッチと呼ばれる地方に伝わる伝統的な木版捺染の布をさします。元は現地の牧民が肩に掛けたり、腰に巻いて使っていた布。インド藍の青とインド茜の淡い赤、酸化鉄の黒を基本色としています。
本来のアジュラックは、古代の人が宇宙に敬意を表してデザインしたと言われる幾何学模様ですが、COSMIC WONDERによる小花柄のデザインに対しても快く木版を彫るところから現地の職人が対応してくれたといいます。
作業はその日の天気と気温を気にしながら何週間にも及ぶ時間と手間を要します。使う染料に応じて媒染をし、染色をして、藍染め、天日干し、大きなプールで何度も洗い、再び藍染めし、そしてまた乾燥。この工程は、3000年以上に渡って脈々と受け継がれてきたものです。
Tangis cotton T-shirt collection



タンギスコットンはペルーの在来綿。繊維が長く太いことが特徴の中長線となります。弾力性と吸水性に優れたしなやかな肌触りが特徴です。空気を編み込むと言われる吊の編機を進化させた貴重な編み機によって製織することで、ふっくらとした仕上がりになります。
また、後染めの染色による濃淡の差や洗いざらしの表情を楽しむことができるのもこのコレクションの特徴となります。
Organic cotton broadcloth wrapped pants



ユニークなブランドの定番アイテムとして知られるラップパンツ。
様々な巻き方が楽しむことができ、1本持っているだけでスタイリングの幅が広がります。
ユニセックスで着用することができ、様々な身長や体型に対応しているのもポイント。
民族の仕事着のようでありながら、どこか次元を超越したような印象を与える象徴的アイテムです。
Organic cotton broadcloth collection



美しい光沢としなやかな風合いのオーガニックコットンブロードのコレクション。
50年代の開襟シャツドレスをベースにしたこちらのアイテムは、墨染めとなっております。
COSMIC WONDERの墨染め製品は、経年変化により独自の風合いが出ます。洗濯を繰り返すことにより色が薄くなっていき、使い込むほどにその味わいを増し、独特の風合いを楽しめます。
初期の深い黒から徐々に色が柔らかくなり、自分だけの個性を育むことができるのが魅力です。
最後に、代表の環にCOSMIC WONDERとの出会いについて語っていただきました。
私たちとCOSMIC WONDERの歴史の記録として掲載いたします。
二十年以上前だよ。
ファーストシーズンのちょっと後。当時、大阪に行く機会があって皆んなで食事会しようってなって。何人かのデザイナーを集めて食事をしてたら、ある人が「僕らがお世話になってる生産の方がいるんですけど呼んでいいですか?」って。名字も覚えてる、加藤さんという人。その加藤さんという方がいらして、一緒に食事してたら、その人が言ったんだよ。「大阪ですごい面白いデザイナーがいるんですよ。COSMIC WONDERってご存知ですか?もし良かったら明日ご案内しますよ」って。それで次の日連れて行ってもらったんだ。
小さなマンション、本当に狭いところだったんだけど。
それで、入った瞬間思ったよ、”なんだろこの子たちは”って。3人いたんだけどね。すごい突き刺さるようなものを感じた。
それで最初、展示会が千駄ヶ谷だったかな。その時に取り引してたのは当時のビームスと、スペースというセレクトショップ。どっちも当時は注目されてたショップで、それでうちは3店舗目だった。ビームスとスペースだからね。それもその時点ですごいわけだけど。ただ地方ではうちが初めて。それでそのまま(取り扱いが)始まったのかな。多分仕入れしたんだと思う。
でも本当に最初は小さな展示会場だったんだよ。
COSMIC WONDERと私たちの繋がりは、今なお続いています。
それはファッションの分野のみでなく、あらゆる精神的な繋がりをもってお互いに作用し続けてきたからこそです。
私たちの責務は、そのビジョンを伝え広めていくことにあります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
皆様のご利用スタッフ一同お待ちしております。